2日で職場放棄してしまった、ろう者

就労後の聴覚障害者問題(R社

2010年1月9日(土)

去年12月下旬に入った聴覚障害者が
辞めたという。
年末のたった2日しか働かなかった、
という。
なぜ辞めたのだろうか?

今日、先輩のパート(洗い場)のおばさん
から少し話を聞いたが、
その聴覚障害者は洗い場の仕事経験が
全くなく、一人でこの仕事をするのは無理
だという。
56歳の男性ろう者で、日本語は話せない
らしい。
名前は■という。
シェフはこの前、

「口は読み取れる」

と話していた。

なぜ、たった2日で辞めたのだろう?

本人も入社前に人事やシェフと話して、
仕事内容に納得していたはずなのでは
ないだろうか?

初めてでも、慣れないのは誰でも当たり前
だと思う。
だから不可解だ。

まさか、ただ採用されたいがために、
その時に手話通訳をつけずに、
難聴者みたいに「とにかく、うなずくだけ」で、
雇用契約書に応じてしまったのでは
ないだろうか? 

しかし実際に入ってみると、雇用の条件が
違っていたとか?

それは私も同じだ。

採用前面接は言われたものを持ち運んでくる
作業とか、いわゆる簡単な仕事(整理整頓
・清掃・洗い場など)という説明だった。

この業界では、最初から厳しい仕事内容で
説明してしまうと、結局皆逃げ出してしまうので、
初めはやわらかに説明する人もいる。

実際、ハローワークに提出する書類には、
仕事内容は「調理補助」とされていた。
これならば、誰だってやりたくなる。

しかし実際は準備・清掃・洗い場だけである。
つまり、我々聴覚障害者に対して与えられる
仕事は、

コミュニケーション無しで出来る、
常に一人で行う単純労働に限られる


のである。
最初は筆談で教えるなど、健聴者の方が
大変だったが、その仕事だけ教えた(覚えた)
後は、もう他の人とコミュニケーションなんて
全然ないのである。

結局、ここもM社と同じ障害者雇用スタイル
なのだろう。
単純労働専門の労働者に過ぎない、
というわけだ。
もう今後のことは、M社の経験があるから、
十分にわかっている。

ろう者が辞めるのはよく

「コミュニケーションのすれ違いが原因」

だと言われる。
でもこれは、騙されたのと同じではないだろうか?
少なくとも、聴覚障害者の側からは、そう感じても、
無理はないのだ。

他に、足の悪い、57歳位の男性が一緒に
働いているが、この人の場合は、健聴者と
一緒に仕事をしているし、コミュニケーションもある。

彼が先に入ったのだし、しかも足が悪い点に
配慮して、会社はこのように決めているのかも
しれない。

だが、こうした状況がたまたまとはいえ、
聴覚障害者の側から見たら差別的に感じるのは、
無理もないのではないかと思う。

足の障害者にはこのような配慮があるが、
聴覚障害者に対する配慮は、
最初の1週間の筆談以外には無いのが
実情である。


疑問点を整理すると、次のようになるだろう。

1.会社は、重度聴覚障害者(ろう者)である
 ことを承知で、さらにこの仕事の経験が
 全く無いことも承知の上で雇用した。

2.それでも会社は、筆談はしたかもしれないが、
契約内容について正確に説明していなかった
 か、 あるいは手話通訳をつけて採用前の話し
 合いを していなかった可能性がある。

3.就労者は、仕事内容等について、十分に
 納得してから 入社していなかった可能性が
 ある。

4.会社は、重度聴覚障害者の職業訓練に、
手話の出来るジョブコーチをつけていない。

5.会社は時給千円という、初めから能力のある
 健聴者 並みの高額給与での雇用で、しかも
 その人に初めから 一人で仕事をやらせると
 いう就労計画で、未経験の重度聴覚障害者
 には、初めから無理を 強いてしまっている。


果たして、これで各々の障害者に対して、
配慮があると言えるのだろうか。




(障害者雇用率ダブルカウントの問題点)

【MH社の人に会って】

MH社(M社関連会社)のSさんと、帰りの電車
で会った。

私が前に担当していたM社総務部の郵便物担当者
は、現在は60歳位の人がやっている、と話してくれた。
障害者のようだが、日本語を話すらしい。
難聴かもしれないし、聴覚障害者ではないかもしれない。
障害者であるなら、年齢も考慮して助成金額の高い
特定求職者の人であることは間違いないだろう。

もしもダブルカウントの重度身体障害者を雇用して
いるなら、雇用する障害者の数は半分で済むことに
なる。
厚生労働省も、実質的には約半分で法定雇用率を
達成できたことになる。
雇用率水増しのカラクリだ。

しかしこんなのは、おかしいだろう。
雇用者数が半分で済んだ企業は、
それ以上の障害者を雇用しないだろう。
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by bunbun6610 | 2010-01-09 18:00 | R.五つ星ホテル
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