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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

難聴者への差別、盲ろう者にある職域問題

当ブログ

 『精神障害者への就労支援のあり方から』(2012-02-13 22:05)

『第4回労働・雇用分野における障害者権利条約への対応の在り方に関する研究会議事録』
(平成20年8月7日)
議題; 障害者関係団体からのヒアリング
より。

に続く、質問と回答です。

これまで通りに、私の思ったことも後で加筆してみました
(オレンジ色の文字部分)。

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○笹川委員
 高岡会長にお尋ねします。先ほど高岡さんから、これは都内の区だと思う
のですが、職場での差別、あるいは虐待で辞めざるを得なかったという方が
おられた
ということですけれども、就職すること自体がなかなか大変なのに、
何故そういう状況に陥ったのか。
その辺の事情をもう少し詳しくお聞かせいただければと思います。


○高岡氏
 高岡です。その方は特別区の公務員の方で、採用された時から自分は
難聴であるということを言って採用されたんですが、職場で異動になった先で
全く理解が得られなかった
わけです。
難聴なので電話ができないと言っても、まず電話を取れということを強要されたり、
会議で通訳が欲しいと言っても、通訳は配置されません。上司が手話通訳士という
方だったのに、話をする時も手話で話をしてもらえません。

職場の同僚がその人の後ろを通時に、椅子をけ飛ばして通るというようなこととか、
いろいろありました。

上司に相談をしても、相談になりません。
これでは辞めざるを得ないと辞表を出した時に、「職場の理解が得られないので辞める」
と書いたら、それは書かないで欲しいと言われた
とか、首都東京で現在そんなことが
まかり通っているという実例があるわけです。
その方は自分で名前を出してもいいとまで言われているんですけれども、一度、
そういう方々がどのぐらいいるのかも調査が必要だろうと思ってお話ししました。


 →上司に相談しても、きちんとした相談相手になってもらえなかった経験は、
私にも山ほどあります。
そもそも、聴覚障害者でもない人に相談しても、相手に理解できるはずがなく、
無駄なのです。
それぞれの障害者別の、外部相談機関が必要だと思います。

それと「虐待例」というケースではないけれども、
理解のない職場で働いている難聴の方を知っています。

配置転換を希望していても、何年も受付の仕事をずっとやらされ

「イヤなら辞めていいんだよ」

と言われ続け、ガマンして働いている難聴者を知っています。
相当暗い表情で、ごくたまに手話サークルにも来ていましたが、
今では全く見かけなくなりました。

『ハインリッヒの法則』

 →http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%92%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

にあてはめて考えれば、こうした難聴者もかなり潜在しているのではないか、
と思われます。




○笹川委員
福島理事さんには、今、盲ろう者の方で職業に就いておられる方はどういう
職種に就いておられるか、もし具体的にお聞かせいただければお願いしたい
と思います。


○福島氏
 先ほど申しあげましたような、盲学校を卒業なさってから耳が悪くなった
ようなケースの方は、直接の知り合いでも何十人もおられますが、やはり、
たとえ開業しても長く続かなかったり、あるいは治療院に勤めても、だんだん
耳が悪くなってきて、解雇されるというケースが多くて、比較的うまくいっている方は、
例えば配偶者がおられて、つまり結婚なさっていて、配偶者が手伝いながら開業を
している人とか、あるいはご家族、親御さんがかなり熱心にサポートをすることで、
いわば親子で協力して開業しているようなケースでは比較的うまくいっているケースも
あります。
しかし、圧倒的多数の人は無職ですね。
あとは、重度でなく、中程度の障害、即ち盲プラス難聴であるとか、弱視プラスろう
といった方の場合は、頑張って元の職場で働いておられる方も希にはいます。


だけど、相当多数の人は辞めざるを得なくなって、おそらく全体の割合で一番多い
のは無職ですが、その次に多いのは、作業所に通っていたり、あるいはそこでの
職員になっている人が何人か出てきているという程度です。


これから職域の開拓も含めて取り組まなければいけないという、非常に前途多難な状態です。



 →障害者の就労問題における「障害の克服」というのは、
社会の職域差別を解消していくことなのかもしれません。
職域差別がなくなれば、働けるようになる障害者も
増えるのではないでしょうか。

しかし「差別だ」とばかり指摘しても、
何も変わらないと思います。
企業側の合理的配慮を、政府の強い指導力で実施させる
ことはできないものか、と思います。
今の助成金の活用法には、問題があると思わざるをえません。


それとやはり、障害者は解雇問題が多いと思われます。
表向きは解雇じゃなくて、会社は助成金給付に響かないように
するため「雇用契約期間終了」にさせているわけですが、
障害者側にとっては実質、解雇と同じになってしまうわけです。

「会社は福祉ではないんだ」と言いたいのでしょうけれども、
国家の福祉にも限界はあります。

新しい考え方は、なかなか受け入れられませんが、
それでも受け入れられるように頑張っていくしか、
方法はないのではないでしょうか。

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by bunbun6610 | 2012-03-03 21:27 | 就労後の聴覚障害者問題B