感音性難聴障害の特徴

『難聴-昔の苦い記憶から』

「難聴のことは難聴者に聞くのが一番よい」
とは言っても、自分の難聴についてまだ無自覚、
半自覚状態でしかない難聴者に聞いたのでは、
よい説明が聞けないかもしれません。

難聴障害の受容期を修了した円熟した
難聴者からでなければ、明確でわかりやすい
話は得られないかもしれません。
「難聴者だから」ではなくて
「本当に難聴に詳しい聴覚障害者」
に聞いたほうがよい、ということなのかもしれません。

私がまだ子供の頃、歯医者にかかったときの
記憶を話します。

医者;「今日は何で突然来たの?」
   (私のすぐそばで、話しかけた)(本来は、休診日だった)

私;「治療中の歯が痛くなって、ガマンできなくなったから」

医者;「今は、どう?」

私;「今は痛くない」

医者;(私を連れてきた母の所へ向いて、
何か話す。そしてまた、私に話しかける)
「痛くないのなら、何で来たんだ!」
(と言って、私の頭を掌で叩いた)

そして、母も寄ってきて、こう言いました。
母;「さっきまで『痛い』と言っていたでしょ!
 だからお医者さんに電話して、休診日でも診てもらっているのよ!!」

私;「…?!(驚いて、何で怒られるのか、すぐ理解できない)」

私はさっきまで本当に痛かった。
でも、今は本当に痛くないから、
正直にそう言っているだけなのに…。
そして、医者が母と話している話だけは、わからなかった。
だから、どうして医者にも母にも怒られ、
頭を叩かれなければならなかったのだろうか? と思った。

さて、読者の皆さん(特に健聴者)はこれを読んで、
難聴問題とは何か、わかるでしょうか。
よく考えるべきことが下の点だと思います。

 ・「難聴とはどういう障害なのか」を思い起こすこと。
  (当ブログで説明してきた)

 ・難聴でも、聞こえやすい音と、聞こえづらい音と、
  聞こえない音の3種類が、本人のなかに常に混在してしまいやすい。

解答例としては、まず、母も医者も、
私が難聴だと気づいていないことが問題です。

と言っても、健聴者には、これだけでは気がつきにくいのも
無理はありません。

もう一つが、例え難聴だと気づいたとしても、
どうすればいいかもわからない、ということです。

この二人の大人の場合、気づいていないのですから、
「なぜ、これは聞こえたのか?」
「なぜ、あの話は聞こえないのか?」
「聞こえているはずだと思うのだが、聞き取れないのはなぜ?」
ということも当然、考えていません。

実は、このような3人での放射状の会話は、
2人での対面会話と比べ、難聴者は苦手な人が多い
のです。
だから「2人の場合で大丈夫だったから」という思い込みを
している健聴者は、気づきにくくなるのです。
それが、当たり前なのです。
健聴者には決して体験し得ない障害だから、です。

ですから、難聴問題を解決する有効方法とは、
もはや国家的な取り組みで行うしかないと思います。
日本は、これがあまりにも不十分です。

だから難聴問題が国民的にも見えていないまま、
広く存在しているのだと思います。

日本ももう、国連・障害者権利条約の
「障害の定義」に素直に従い、
聴覚障害者の定義を変える必要があると思います。
[PR]

by bunbun6610 | 2012-02-14 21:19 | 難聴・中途失聴
line

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610
line