理解されにくい「聴覚障害」

聴覚障害者の
【見えない障害】 とは

-理解されにくい「聴覚障害」を、どのように説明するのか-
      聴覚障害への理解と、配慮の求め方の工夫

私は思う。

「聴覚障害者は主観的だから、
自分の障害のことを説明しても信用されないのだろうか?」

(聴覚障害者の障害についての説明は、
健聴者から見ると主観的に見えるから、
理解してもらえないのだろうか?)

と。
そして、

「本当に聴覚障害者の意見は主観的なのだろうか?」

とも。

私のブログを読んだ人から、内容について、
「主観的」だとか「一方的見解」だと言われることがあります。

それに対し、私は

「誰でも、多少なりとも偏りはある。
だいいち、何をもって主観的だとか、
あるいはその反対に客観的だと判断するのだろうか?」

と話してみました。

私自身は、このことは気にしていないのですが、
他人に聴覚障害に対する理解を求める時、
特に自分がお客様である場合と、
相手が上の立場となる会社や病院などでは、
立場の違いから、得られる理解や配慮も、
全く違う結果になってしまうものです。

ある人からは

「例えば、NHKテレビは、
国民から『客観的情報である』と信頼する人が多い」

と言われました。

健聴者は、やはりストレートな批判はしないものの、
私の主張に対する理解には限界があると考えるからなのか、
このように言い回しをしているのだろう、と思います。

それは今の一般社会論としてはわかるのですが、
聴覚障害における問題は、
多数派の健聴者の判断で決められるものなのだろうか。


聴覚障害者自らが、その体験から語る説明は、
客観的ではなく、主観的だというのだろうか。

勿論、聴覚障害者の視点、話すことには、
主観的な特徴も必ずあります。
それ自体が、聴覚障害者の特徴でもあるからです。

私は、専門医や補聴器メーカーから

「あなたの耳を検査しました。
それで、あなたの耳の場合は、
高音のほうがよく聴こえるので、
補聴器の調整は高音域を上げる設定にしました」

と言われ、補聴器を調整してくれます。
不思議なことに、ほとんどの健聴者がこう言います。

でも、実際にそうやって調整された補聴器で聴くと、
人の話し声を聞き取りずらくなるのです。

実は私の耳は、低音域のほうで聴くほうが、
人の話し声をよく拾えます。

だから、補聴器メーカーの調整は合わなかったのです。
これは一体、どういうことだろうか。

この事実は、誰にも実証できないがゆえに、
私は医師、健聴者に証明できません。

私は昔、ある健聴者が話してくれた言葉を思い出しました。

「聞こえたか、きこえなかったかどうかは、
あなたにしか、わからない」

これが客観的だと思ったので、今でも印象に残っています。

これを言った健聴者は決して、
自分の問題として考えなかったから、
こう言ったのではありません。

だから、聴覚障害についてのことは、
聴覚障害者自身の体験を、
信じてもらえるか否かの問題になってしまうのです。
見えない障害とは、そういうものなのだと思います。

けれども、現実は、医者や他の権威ある健聴者が

「あなたの見解は医学的見地とは違う」

と言ったら、もう私の知っていることは
誰も受け入れてくれません。
信じてももらえなくなるのです。

健聴者の医者が聴覚障害の権威であって、
当の本人はわからない、
と決めつけられているのではないでしょうか。

これは、これからの聴覚障害の研究者が是非、
真実を解明、証明してほしい分野だと思います。

できれば近い将来、
こうしたことを研究する聴覚障害者が出てきてほしい、
と願っています。

証明できないからといって、私の証言は主観的、
一方的だと言うのでしょうか?
でも実際に、健聴者からはよく、そう思われているのも事実です。

そういうことも含めて、聴覚障害とは実は
「人為障害」であると言えるのではないでしょうか。

このブログでは、私はこれまで「聴覚障害」という障害を、
漠然とした名称(つまり「聴覚障害」という言葉で)で
呼んできましたが、これでは健聴者には問題点の
解決方法が気づきにくいんだな、
ということがわかってきました。

それで、これからはそういうことに
もっと気づいてもらいたく、聴覚障害よりもさらに
詳しい言葉を使おうと思います。

例えば、これは「情報障害」の説明だとか、
これは「関係障害」だとか、
「職域差別」というふうにです。

聴覚障害とは

「聞こえない」
「聞こえづらい」
「語音明瞭度に問題をきたす」

といった説明ではなく、実際に本人が何に困るのか、
ということに焦点を当ててみてはどうか、
と思ったのです。
そうしないと、理解は一向に進まないような気がするのです。

なぜなら、これらすべては、聴覚障害に起因する二次、三次障害だからで、
こうした障害のほうが聴覚障害以上に深刻で、もっと怖い、
と言われているからです。
ですから、健聴者には、これら具体的事象を、もっとよく知ってほしい。

これらの障害の名称は、私が勝手に考えたのではなく、
聴覚障害の専門書に載っているものです。

これを、私の体験に基づいた具体的説明になるかもしれませんので、
やってみようと思います。

「『聴覚障害』って何?」という問いに対する答えが、
「情報障害があります」と言うことぐらいしか知らないようでは、
私も残念でなりませんから。

単に障害としてでなく、差別も理解してほしい、と思っています。

そのため今後、カテゴリー別にするだけでは足りないと思うので、
各記事にその【 (障害名) 】も表記していきたい、と思います。


〔参考〕『「目に見えない障害」について思うこと』
 
 →http://www.rehab.go.jp/rehanews/japanese/No313/1_story.html
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by bunbun6610 | 2012-02-12 01:10 | 聴覚障害
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ある聴覚障害者から見た世界


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