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蒼穹 -そうきゅう-

手話を学ぶ「はじめの一歩」は、聴こえない体験からしてみよう

 「赤信号、みんなで渡れば怖くない」

これはツービートのセリフでしたっけ?
集団心理、日本人の単一民族性心理をよく表している言葉だなぁ、
と思います。

健聴者は聴覚障害者と1対1で手話で話したり、
覚えた手話を職場で使うのは、
抵抗感を持っているかもしれません。

手話で聴覚障害者に話しかけるという、
その勇気ある一歩を、なかなか踏み出せない人は多いのではないか、
と思います。

皆で楽しくおしゃべりしながら仕事をしていて、
その中にたった一人だけしか配属されない聴覚障害者は、
午後5時の定時まで、ずっと会話もできず、
情報をもらうこともなく、
一人で黙々と単純労働をしていなければなりません。
そんな気持ちを、考えたことがあるだろうか?

実は東京大学教授の福島智氏(盲ろう者)は、
この実験を小学校の子どもたちにやらせたことがある、
といいます。

「20分間、何も喋らないで給食を食べなさい」

と指示したそうです。
子どもたちは、その通りにやり、終わったあとに福島氏が

「どうだった?」

と聞いたら、子どもたちは

「イヤだった」

「いつもより、おいしく感じなかった」

などという悪影響の感想が出ていました。

耳栓をして、丸一日を過ごしてみて、
確かめてみるといいでしょう。
自分が喋らないのではなく、聴こえなくなった、
ということを体験してみるのです。

もしも皆に耳栓をして仕事をさせたら、
何も聴こえなくなるし、喋れても音声会話では
誰とも通じなくなるので、きっと喋ることも疲れてしまうに
違いありません。

あるいは、それを一週間続けたら(そこまでする健聴者はいないと思いますが)、
その精神的苦痛がさらによくわかるに違いありません。
それでも、失聴して何十年も過ごす人とは比べ物になりませんが…。

聴こえなくなった人が受けている、大津波のような巨大な疎外感を、
一時的にでも体感できるかもしれません。

でも反対に、手話講習会などでは、様子が少し変わります。
手話学習、資格取得という目的のもと、
ほとんどのひとは積極的に手話を使おうとします。
そうするとそれだけ、手話を使おうとする人の輪も広がるのです。
耳の聞こえない人とも交流できるようになります。

一人の聴覚障害者として見たら、
この全く反対の現象を見て不思議に思います。

一人だと怖い、他の人から偏見で見られたくない、とか、
理由はそれぞれあるのだと思いますが。

会社では特に

「ここは会社だから、手話より仕事をもっとがんばったら?」

と、上司や周囲から、冷ややかな目で見られるのが怖いのだろう、
と思います。

手話は今日、迫害されることはなくなったかのように見えますが、
コミュニケーション方法として受け入れられたわけではありません。

聴覚障害者就労支援も進めている厚生労働省でさえも

「職場で手話を使うように」

と企業にお願いしている状況にまでは、まだなっていないのです。

一日も早く、手話が職場でも使われるようになることを願っています。
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by bunbun6610 | 2012-01-08 23:58 | 手話