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市街地再開発事業の怖さ

「第一種市街地再開発事業」というのをご存知でしょうか?
森ビルが手がけた、アークヒルズや六本木ヒルズも、
その代表的な例です。

 →http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/seido/06sigaichisai.html

 →http://search.jword.jp/cns.dll?type=lk&fm=101&agent=1&partner=Excite&name=%BF%B9%A5%D3%A5%EB&lang=euc&prop=780&bypass=0&dispconfig=&tblattr=1


これは大都市の古くなった街の再開発プロジェクトで、
民間企業(大手ディベロッパー)が国から莫大な
補助金をもらったり、その仕事を進めやすくするために
資金援助している政治家から、
都合のよい法律をつくってもらったりして、
可能になった民間事業でもあります。

結論から言うと、私がここで最も言いたいのは、
このプロジェクトは庶民のための事業ではありません。

ほとんどが大手ディベロッパー(森ビルなど)と外資系企業、
そしてそこいらが出どころの政治資金に群がる、
政治家の利益にしかならないかもしれません。

それは、東国原英夫氏の言う

「官僚、族議員、業界のシガラミ三兄弟
(利権のトライアングル)」

と酷似しています。

 →当ブログ

『税金の遣われ方に疑問』
〔2011-04-27 21:26〕

参照。


森ビルが手がけたアークヒルズや六本木ヒルズを
例にしてみましょう。
森ビルと政治資金関係のあった政治家は全員、
自民党の大物議員でした。
他の政党では、民主党の小沢一郎ぐらいでした。
あと、東京都知事の石原慎太郎も、です。

彼らの政治資金パーティー会場は、
ある自民党議員は赤坂プリンスホテルとかが
多かった。
石原都知事は、いつも京王プラザホテルと
決まっていました。
政治資金パーティー法という、政治資金集めを
合法にした法律があり、それはこういうところだけが
利用してる法律だったのです。
一口ウン万円という、パーティ券自体は大した額では
ありませんでしたが、
パーティーは毎月あります。

その政治家と癒着関係にある企業ならば
「招待券を買って下さい」
という文書が政治家事務所から社長秘書室に毎月届き、
その度に出席しないパーティーでも、
パーティー券を購入していました。
これが自民党大物議員たちの政治資金源となっていたのです。

 →http://blog.livedoor.jp/nihonkokukenpou/archives/51632738.html

石原都知事の東京オリンピック招致のバックに
ついていた巨額資金援助企業の一つも、
森ビルです。
オリンピックを東京でやれば、森ビルには、
おいしい仕事がたくさん来ますからね。
それで儲けが来る計算なのでしょう。

ところで、六本木ヒルズやアークヒルズに、
庶民が住めるでしょうか?
また、日本の零細企業が、そこでテナントを借りて、
商売ができるでしょうか?

できません。
潰れたお店もあります。

賃料がものすごく高いからです。

そこで何らかの営みができるのは、
それなりのお金を持っている人、
ビッグビジネスができる人だけです。

テレビドラマの『家政婦は見た』じゃないですが、
私も森ビル在職中は、重要文書管理の仕事を
していて、アークヒルズや六本木ヒルズなどの
再開発プロジェクトの古い資料を随分見ました。

タイトルがない手書き文書とか、
プロジェクト文書とはわかっても、
どこの開発のものだとか、
手がかりを見つけてプロジェクト別に整理する
必要があったからです。

障害者は、そういう簡単な仕事をしています。

六本木ヒルズ地域(六本木六丁目)の再開発前は、
庶民の古い街で、当時は金魚屋さんやお蕎麦屋さん
などがありました。

そこら辺の土地を全部、森ビルがまとめ上げ
(「借り上げ」と言うらしい)
土地を整理してから、着工させたわけです。
その期間が確か、約20年かかったと聞きました。
アークヒルズの場合は、もっとかかったそうです。

今の六本木ヒルズの隣地も、
通称「第二六本木ヒルズ」というプロジェクト名で、
土地の整理を進めているのですから、
もっと大規模にするつもりです。

本気ならば、その範囲内にある六本木中学校も
買収されるでしょう。

六本木ヒルズというのは、最終的にはそういう
計画なのです。

だから、あそこら辺に住んでいる人は、
いずれ出ていかないと、自分の土地を売るに
売れない状況になってしまう場合もありえます。

ある小売業を営んでいる知人が
あるプロジェクトの開発地域圏内に入ってしまった
のですが、私にこう話していました。

「もう自分の家の周りはビルや、
売却済みの土地建物ばかりになってしまったので、
自分も売ろうと思い始めたんだけど、
価格がどんどん落ちていってしまい、
今では売るに売れなくなって困っている」

やっぱり、大企業のプロジェクトの話が出てきたら、
いずれはその船に乗って出て行かないと、
取り残されてしまうようです。
ささやかな地主であっても、庶民は弱いわけです。

NHK総合テレビで、いつだったか正確には
憶えていませんが、3.11大震災・津波前の放送で、
諫早湾開門の特集を放送していました。

それは開門のことよりも過去のこと、
公共事業を実施するまでのプロセスの
裏側を暴露していました。

利権に群がる政治家、官僚、業者が動いて、
干拓事業を実施した場合の、
環境への影響に関する意見書を学識者に依頼した
官僚が、その資料を裏工作したそうです。

つまり、行政も環境調査の結論を初めから無視し、
この事業は初めからやると決めていたわけです。

地域の反対派で、最も激しく抵抗していた漁協組合
へも手が伸び、組合の理事長は一千万円の金に
釣られて、反対者の説得に回ったという。
そうした活動があって、
諫早湾の公共事業は成立したらしいです。

その理事長は、受け取ったお金で、
諫早湾で獲れる海産物の加工業を始めたらしいの
ですが失敗し、現在は失業しているという。

肝心の海産物を生み出す海がダメになって
しまったから、海の仕事はできなくなり、
転職先を探している身だという。

自分で自分の首を絞める結果を、
受け入れるしかありませんでした。
彼は騙されて、自分の、いやその地域皆の
仕事場であった大事な海をダメにしてしまった。

森ビルの再開発事業のやり方も、似たようなものです。
反対者たちを賛成派に回らせる方法は、
カネで釣る他にも、方法があります。
それを編み出すのが、企画開発本部という部署の
仕事です。

賛成派の人々と一緒に、市街地再開発準備組合
をつくり、それを核にし、再開発推進活動の輪を広げ、
住民(地権者)同士の心理戦に持ち込むのです。

反対派の人々の名簿には、集会での言動の他に、
性格などについても書かれていました。

カネで落ちなければ、時間をかけて心を落とそうとした
のだろう。
出ていかざるを得ない、出ないと損失が大きくなることを、
じわじわと悟らせていく心理戦で。


市街地再開発事業の怖さ_a0196876_23201618.jpg

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【追記(関連記事)】(2024124日)

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by bunbun6610 | 2011-12-12 23:22 | 社会(国内)

ある障害者から見た世界


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