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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

合理的配慮と理解で、障害者の雇用促進を

聴覚障害者の積極的雇用事例(合理的配慮を含む好事例)
として、次の記事があります。


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http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111129k0000e040065000c.html




『聴覚障害者:洋菓子店やユニクロ…生き生き接客』

会話によるコミュニケーションが難しく、接客業は不向きと
されてきた聴覚障害者。
だが工夫を凝らし、生き生きと働く人たちが増えている。
音の無い世界での接客の工夫とは。

 「耳のきこえないスタッフが担当しております」。

JR東京駅地下1階、丸ビルに通じる通路の一角にある
洋菓子店「ラポート」は、そう壁に掲示している。
人気の「雪苺娘(ゆきいちご)」など8品目を販売。
店頭にタッチパネルがあり、客が買いたい品と個数を
入力する。
店内のスタッフが入力情報を見て、注文を受ける仕組みだ。

 店員の大杉聡美さん(29)は注文を受けると手際よく
商品を箱詰めし、保冷剤を手に

「入れますか?」

と言うように小首をかしげた。
客が

「いらない」

と手を横に振ると大きくうなずき、紙袋を手渡した。
手刀を切るしぐさで

「ありがとう」

の手話をし、笑顔で客を見送った。

 ラポートはJR東日本リテールネットが03年、聴覚障害者
の職域を広げようと開店した。
現在は東京駅と有楽町駅の2店で、女性スタッフ計8人が働く。
店名はもともとフランス語で「心の通い合い」を意味するという。

 大杉さんは、ろう学校を卒業後に服飾工場で働いたが、
同僚とうまくコミュニケーションをとれずに退職。
ラポートはスタッフ全員が聴覚障害者のため「働きやすい」という。

客に道案内を求められ、応じられず怒らせてしまったこともあるが、

「いろいろな人がいますから気にしません」

とノートに力強く書いてくれた。


 衣料大手「ユニクロ」は、「1店舗1人以上」の障害者雇用を
掲げている。
全国約850店の9割以上で障害者が働き、身体障害者の
約3割が聴覚の障害。
業務は他の店員と変わらず、清掃や商品管理のほか接客も
こなす。

 JR茅ケ崎駅(神奈川県)に隣接するビル内の店舗で働く
塩田知弘さん(24)は耳が不自由だが、話し言葉はよどみない。
相手の唇を読んで会話ができる。
マスクをした客など口の動きが読めない場合は、他のスタッフ
がさりげなく近づき、接客を引き継ぐ。

「聞こえないなら他の店員に代わって」

と心ない言葉を投げられることもあるが、

「手話ができるから」

と聴覚障害の客が塩田さんを指名することも。

 接客を通じ、自身も積極的になった。

「健常の友人の会話に入れなかったが、今では自分から
話し掛けるようになった」。

「ろう者サッカー」日本代表メンバーでもある塩田さんは、
さわやかな笑顔で応対している。


 コーヒーチェーン「スターバックス」の一部店舗でも、
聴覚障害者が店頭に立つ。
また、福祉グループが地域で開いた喫茶店などで接客して
いる例もある。

 ただ、一般企業全体ではまだ少数。
障害者雇用促進法では、従業員56人以上の企業に
1.8%以上の障害者雇用を課している。
厚生労働省の調査では、実際の雇用率は年々上がって
いるが、6月現在で平均1.65%。
聴覚障害者は、生産工程などの労務職が多いとされる。

 第一生命経済研究所の06年の調査では、上場企業
132社のうち「サービス」「販売」に携わる聴覚障害者が
いる企業はそれぞれ6.8%、5.3%。
限られた職種が、雇用率の伸びを抑えているともいえる。

 同研究所の主任研究員、水野映子さんは

「聴覚障害者はお客様とのコミュニケーションが難しいと
思われがちだが意欲のある人には職域を
限定せず、職場環境を整えることが望ましい。
企業だけでなく、消費者を含めて社会全体が、障害者への
理解を深めることが大切


と話す。

【木村葉子】

毎日新聞 2011年11月29日 14時37分
(最終更新 11月29日 14時57分)



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ここで言う合理的配慮というのは、洋菓子店の場合は、

①雇用への理解

②雇用後のサポート(聴覚障害者の後方にボードが設置されている)

がありますが、それだけでなく、
聴覚障害者自らがコミュニケーション方法を選択し、
お客様に使うことが認められている、
という点もあります。

これが、①②の合理的配慮よりも重要な「理解」だと思います。
理解がなければ、合理的配慮があるうえで雇用しても、
「難しい」と言われてしまうのですから。

一旦、ちょっと別の話になってしまいますが、
私は昔、自動車運転免許を取得したとき、
免許の条件に補聴器はつかなかった時期がありました。

そのときは、当時の検査官は法律に定められたとおりの
検査方法を実施し、その結果、

「補聴器は条件には付きませんが、つけたほうがいいですよ」

とだけ言われました。
これは勿論、私も納得できました。

ところが、それから5年後くらいだったと思います。
免許証更新試験のときに、法定検査ではなく、
検査官が指示したやり方で検査を受けました。

それは、私の後ろの10メートルほど離れた位置から、
声で呼んだというのです。
それで反応しなかったので、

「今日から補聴器の条件をつけます」

と言われました。
でも、車のクラクションの音は常に、
ちゃんと聴こえていましたので、
自分は納得できませんでした。

人の声とクラクションの音とは、
幾らなんでも違い過ぎないでしょうか?

これはどうも、きちんとした客観的判断が
なされた結果ではなかったように思います。

それを差別と言うのではないでしょうか。

このような健聴者の個人的な先入観で
何事も決めつけられてしまうのは、
納得がゆきません。

検査官は手抜きして自分勝手な判定をせず、
法定検査をやるべきだったと思っています。

聴覚障害者の運転が心配だというのなら、
それは自分たちのつくった法律にこそ、
問題があるのです。

屁理屈で私たちの心を傷つけるのは、
本当にもうやめてほしい。

健聴者も、自分たちのそういうところに気づき、
変えるべきところは変えていってほしい、
と思います。

聴覚障害者雇用のときも、
やはりそうしたことに留意してほしい、
と思います。
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by bunbun6610 | 2011-12-07 20:48 | 就労前の聴覚障害者問題A