合理的配慮の実施が「可能な限り」では…

下記のブログに、掲載してありました内容から一部引用させていただきました。

 →http://blog.goo.ne.jp/hearingrabbit/e/a3244eccc4477f64122cd709a4b589b6

テーマ『改正障害者基本法 「可能な限り」(衆議院内各委員会議事録)』
(2011-10-24 01:13:34)


(1)「『可能な限り』は合理的配慮の実施に「過度の負担」以外の
口実を与えるものになりかねない。」

(2)「コミュニケーションの支援も、あらゆる主体があらゆる障害者の
適切な意思疎通の手段を確保できる訳ではないにしても、
最初から「出来る限り」という恣意的な判断の入り込む余地を作っては
力の大きい行政や企業、雇用主などの論理が優先されてしまう。」

                                  (ラビットさん)




以下は、私の述べることです。
(1)は当然、誰が限界を判断するのか? という疑問が出ますよね。
その限界も、どこまでとするのが適切なのか、
公正に判断しなければなりません。
でも、誰がするのでしょうか?
それが、合理的配慮を提供するほうが一方的に決めるだけなのでは、
従来と変わりないのではないでしょうか?

また、
(2)にしても、合理的配慮の実施に『出来る限り』の文言が入っていると、
これが障害者にとってバリアになりうる、と思います。

「可能な限り」
これは、私たち障害者の権利保障を完全履行してもらうには、
やっかいな言葉です。

私は当ブログで、障害者が自身で持つ障害のほかに、
障害者を取りまいている健常者が意識的あるいは無意識的とに関わらず、
つくり出している障害(間接差別)があるということを、
今までにずっと述べてきました。
国連・障害者権利条約が問題にしているのがこれです。
その後者にもなりうるのが、この「可能な限り」という文言だと、
私は自分の体験から思うのです。

なぜならば、「可能な限り」という言葉には、
「健常者側は努力しなければならない」意味合いは確かに含まれていますが、
障害を持つ人たちの側から見ると

 「それって、具体的には、どこまでが妥当だと言うの?」
 
 「例えば『筆談で対応します』〔※1〕と言われれば、
それを受けている聴覚障害者は苦情を言えないの?」

という不安を掻き立てられます。


〔※1.筆談、筆記と通訳の違いは、後で述べます。〕

これを曖昧にし、それぞれの解釈のしかたでよい、としてしまうと、
この条約の効果も疑問視されるようになると思います。

非常に多くのケースで、健常者から

「私たちもこれだけ努力しているんだから、
あなたもそれを理解し、歩み寄る〔※2〕ことが必要ですよ。
でなければ、これからは、みんなの理解も得られなくなってしまいますよ」

と言われてしまう可能性が大になります。


〔※2.「歩み寄る」の意味は、「妥協し、ガマンしなさい」という
ことだと思われる。〕


ここの議論は重要であり、全ての障害者が注視していなくてはならない
ところなのではないでしょうか。

まだよく考えていないのですが、聴覚障害者の場合は、
実際にどこでも、情報保障や通訳などの合理的配慮が得られるのかが、
最大の関心事ではないでしょうか。
働く場であっても、です。
未だに、会社研修にも通訳がない、というのが当たり前の状況なのですから。

例えば、どうしても健聴者側が合理的配慮を行えない、
その正当な理由〔※3〕があると聴覚障害者も理解できる場合は、
今後も多いと思います。


〔※3.「手話・要約筆記通訳費が出せない」など〕

しかし、それだからといって、通訳なしで参加しなければならないとなると、
聴覚障害者だけに辛いものがのしかかります。
そして、これは継続されやすく、聴覚障害者の心を蝕むことになるのです。
そしてそれが
「あらゆる差別の根本原因となっていく」
という私の証言(当ブログ)を忘れてはならない、と思います。

そこへ、本来は派遣できない手話・要約筆記通訳を会社に
どうしても派遣してほしい、と聴覚障害者が強く望んだ場合には、
その救済がきちんとなされるべきだと思います。

その方法として、聴覚障害者と会社、そして公金による負担割合を決めて、
それで通訳が使えるようにする、ということはできないものだろうか?〔※4〕
本人の負担割合も、障害者の収入状況にも応じて、決めるのがよいと思います。


〔※4.本来は費用問題で通訳の可否を決める問題ではないが、
会社の事情も考えると、全額会社負担は重すぎると思うので、
負担割合のことは無視できないのではないか?〕


当ブログ『シナジー効果がもたらすもの』(2011-07-21 20:25)
でも述べているように、このほうが多くのメリットがあると、
私は考えています。

しかし、聴覚障害者団体はおそらく、有料実施の案には反対でしょうか。

けれども、何であってもそうですが、利用者も費用負担するということは、
利用者の意識を変え、通訳の質も高めることになると思います。
それは、社会全体にとって、プラスなのではないでしょうか。

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by bunbun6610 | 2011-10-24 20:30 | 国連・障害者権利条約


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