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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

手話通訳の双務性

会社にいる聴覚障害者に、自分の情報保障をどうしてもらっているか、
聞いてみました。

私も含め、4人の聴覚障害者がいて、他にも難聴者がいるのですが、
難聴者とは会ったこともなく、状況も分からないので、
私も含めた4人の聴覚障害者の場合を話します。

皆、朝礼や仕事についての説明は筆談で、それ以外にはほとんど筆談もない、
という点は一致しました。
つまり、会話がなくてストレスが溜まる、という状況は皆同じ、
というわけです。

また、今度行われる労働組合主催の職場集会ではどうするのか、
それぞれの立場から話を聞いてみました。

Aさん(ろう者)
「手話通訳がつけば出席するけど、ないから出なかった。
自分で頼むのも大変。」

Bさん(ろう者)
「筆記してくれるというので、手話通訳はなくたっていい。
私はそれで充分です。
手話通訳をつけて、という要望が必要とは思いません」

Cさん(ろう者)
長期欠勤中だが、以前に聞いたときは、Cさんも
「手話通訳はいらない。自分はいつも欠席するから」
と話していました。

今『We Love コミュニケーション』の署名・パンフレット普及運動中ですが、
当事者のほうは一体、どうなってしまっているんでしょうね、この現状では。

Bさんはさらに、こう言いました。

「私は聞こえないので、健聴者とろう者に情報格差があるのは
当たり前だと思っています。それは仕方がない。

でも、どうしても自分が知りたいと思ったら、
上司に聞いて、筆談してもらいます。
筆談してくれない人もいるので、その時は筆談してくれる人にお願いして、
書いてもらっています。
自分がいつもアテにしている人がいて、その人にお願いして、
書いてもらっています。
だから、職場にわざわざ、手話通訳は要らないと思います」

さて、読者のあなたは、これを読んでどう思うでしょうか?
それを、真の信頼関係と見るでしょうか?
それとも、障害者の依存傾向の心理と見るでしょうか?


もう一つ、思うことがありました。
「手話通訳の双務性」というのをご存知でしょうか?

実は、Aさんにんだけ
「もし、あなたが組合に対し、意見を言いたい場合には、
あなたは筆談したり、メールで組合に、内容を正確に伝えられますか?」
と質問したことがありました。
そして、その答えは「できない」でした。

手話通訳は、組合からAさんに情報を伝える場合に必要なだけでなく、
Aさんから組合が意見などを聞く場合にも必要になるので、
組合が
「筆記で伝えるから、手話通訳は要らないです」
として済む問題ではない、ということです。
つまり通訳とは本来、双方向のコミュニケーションを実現するためにあるのです。

しかし、健聴者とは一方的なもので、こういうことも、全く無視しています。
それが、今の聴覚障害者のおかれている現状なのです。

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by bunbun6610 | 2011-10-20 20:36 | 情報保障・通訳