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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

これでいいのか? 健聴者が一方的に考えた聴覚障害者情報保障の実例から

約2年前のことです。

たまたま、日比谷公園に出掛けました。
そこに公会堂があって、労働組合員がたくさん
集まっていました。

中に入って観るには入場料500円を払わなくては
なりませんでしたが、
それまで労働組合には入ったこともないし、
どういう活動をする組織なのか気になり、
入ってみました。

日本人の健常者ばかりでしたが、障害者や在日
外国人も集まっていて、500人はゆうに超す数
でした。

その中に、一人のろう者がいました。
彼の前には、同じ組合員と思える、手話ができる
健聴者がいて、交代で大会演説の手話通訳を
していました。
私もそこに座って、しばらく見ていましたが、
本物の手話通訳者ではないと、
すぐにわかりました。

通訳途中に、通訳者が

「どう? これで分かる?」

と、ろう者に聞いて、ろう者は少し首をかしげながら

「マァマァだけど、分かる」

という仕草をしていました。

彼は恐らく今、失業中のろう者でこの大会に
参加しているのだろう。
それなのになぜ、本物の手話通訳者をつけない
のだろう?

これはおかしいと思います。
けど、全国的にはこんな例が、まだまだたくさん
あるのではないだろうか?
日本の首都・東京のど真ん中でも、こういうことが
見られたのだから。

もしかしたら、彼も

「労働組合の大会だから、主催者が手話通訳者を
用意すべき」

と言われたのかもしれません。
(私にも、酷似した体験例があります)

それでこの労働組合も、組合員に手話ができる人が
いたので、その人で間に合わせようとしたのでは
ないか? とも考えられます。

健聴者の善意からではあるのだが、

「こういうことは本当にあってもいいものなのだろうか?」

と、私は疑問に思います。
これは情報享受の不公平につながっているのですから、
本来はやはり無くなってほしい救済方法だと思います。

彼にはそれを訴え、是正を求める権利があります。
しかし、そうした救済方法が、実はその当然の権利
から彼を遠ざけ、見えなくしてしまっているのではないか?

と考えることがあるのです。
ボランティアのすることには、やはり限界があり、
それで人権保障までできるとは言いがたい。

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by bunbun6610 | 2011-09-12 22:17 | 情報保障・通訳