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ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610

間接差別と、合理的配慮

国連の障害者権利条約では(仮訳)、例えば…

第27条1では、
(i) 職場において障害のある人に対して合理的配慮が行われることを確保すること。
(j) 障害のある人が開かれた労働市場において労働経験を習得することを促進すること。


「合理的配慮」とは何か?
第二条
「合理的配慮」とは、障害者が他の者と平等にすべての人権及び基本的自由を享有し、
又は行使することを確保するための必要かつ適当な変更及び調整であって、
特定の場合において必要とされるものであり、
かつ、均衡を失した又は過度の負担を課さないものをいう。」


合理的配慮を行えば、働く障害者は増えるのかというと、
1990年ADA法を持つアメリカの例では、残念ながら企業はかえって、
障害者を雇用しなくなった、という過去データがありました。

企業にとって、障害者への合理的配慮が負担になる、
と考えられたからだといわれています。

では、合理的配慮がないほうが障害者にとっても企業にとっても
よいのかというと、それは違います。

合理的配慮は、障害者一人一人が持つ様々な能力を生かすことにもなり、
それは企業にとっても社会の全体にとってもプラスになるはずです。

今までの社会では、そうではありませんでした。
これはおそらく世界経済をも変えるほどの、大きな転換になるのです。


聴こえない人は、毎朝の朝礼などで無理矢理に立たされているだけで、
全体的な集まりでの話であっても
「自分は知らなくてもいいのか」
というくらいの認識しか持てないものです。

もし自分にも関係のある重要なことならば、それは単純に
「直属の上司に、自分で聞くべきだ」
と考えられています。

しかし、聴こえないことを放置するということは、
本人は重要かどうかの判断もできないということなのです。

何も分かっていない健聴者が一方的に考えた対策は、
むしろ間接差別に当たると思われますし、
これでは仕事ができなくても当たり前です。

このとき、時間がかかっても改善に少しずつ努力しているならば、
他の人と格差が生じているのはやむを得ないこととして、
差別ではありません。

しかし、聴覚障害者への合理的配慮を何も行わず放置したままで
いることは、障害者権利条約では間接差別にあたります。

間接差別をなくすためには、日本政府がこの条約に沿って、
まず法整備をしなければなりません。

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by bunbun6610 | 2011-08-22 21:24 | 国連・障害者権利条約