難聴者の就職活動


当ブログの『就労前・後の問題』や『障害者の経済学』では、
聴覚障害者の就労・職域差別について述べてきました。

今回の話は、クローズで入社し、働き続けることができる
軽・中度難聴者向きの内容になります。

私はクローズ(障害を隠す)、オープン(障害のことを伝える)
の両方とも経験があります。

クローズにしてもバレるので、長く働き続けるのは困難な
ようです。
しかしバレてしまっても、その人の労働力が認められれば
「働き続けてほしい」と言われる場合もありますから、
そういう希望を持って頑張ることはできます。
ですから、なるべく自分の障害がその仕事の障害に
ならない職種を選んだ方がよいと思います。

実は、難聴者の会社面接対策には、他にもあります。
それは、自分の障害を隠さずに説明しながらも、
健常者と同じように働きたいという意思表明をし、
雇用主と信頼の約束を自ら申し出ることです。
これは、コックやパティシェ(西洋菓子職人)を目指した
ときの実例です。

その約束をするときには、社長だけでなく、実際に働く
現場の直属上司(シェフなど)もいたほうがベストだと
思います。
そして、例えば、こう言うのです。


「私は難聴で、補聴器をしています。

(「十分には聞き取れません」とは言わない)

ですが、このくらい(面接の場)の状況なら聴こえます。

(だが、実際の厨房の中では、とても聴こえないだろうと
思いますが、それも言わないことにします)

将来、自分の店を持ちたいと思って、修業中です。

(ここは本気でないと、通用しません)

どんなことでも、障害を理由に不満を言ったりしません。
最低でも3年間以上、働きますので、私を雇って下さい」


ポイントは、確固たる決意を感じさせる目標を言うこと、
それと障害に関して絶対に周囲の人に迷惑をかけない、
という姿勢を示すことです。

実際は「迷惑をかけない」というのは無理なので、
障害があるのは仕方ないと割り切り、それを補う、
または埋め合わせをできるという意気込みを示すことです。

プロ野球の選手だってミスはするし、その埋め合わせを
すればOKということもあるのだから、それと同じだと
考えればよいのではないでしょうか。
職人世界ですから、これは当たり前の条件です。

健常者もフランス修業に行くと、フランス語も慣れて
いないのに

「給料はいりませんので、働かせて下さい」

と、度胸だけで店の扉を叩くのです。
障害があってもやりたいのなら、このくらいはやるべき
です。
難聴者はできなくはないのですから、やりたければ
やるべきです。

オープンで大きな会社に入社すれば、配慮も多少は
つきますが、代償のほうが大きいかもしれません。

あなたは夢もなく、キャリアアップもできない福祉的就労
で一生、ガマンできますか?
もしできないのなら、オープン(福祉的就労)なんて、
やめたほうがいいかもしれません。

ついでに、難聴者ではありませんけれども、
次のような方々も、参考に紹介します。


★吉岡富佐男さん(ろう者/『手話居酒屋ふさお』のオーナーシェフ)
 →http://www.amazon.co.jp/%E6%89%8B%E8%A9%B1%E5%B1%85%E9%85%92%E5%B1%8B%E3%81%B5%E3%81%95%E3%81%8A-%E5%90%89%E5%B2%A1-%E5%AF%8C%E4%BD%90%E7%94%B7/dp/4847080041


★小椋知子さん(中途失聴者/ロザフィ教室・主宰)
 →http://homepage2.nifty.com/hana2000/


★持田明俊さん(ろう者/プロカメラマン)
 →http://www.mochida-photo.net/


★井上孝治さん(ろう者/プロカメラマン)
 →http://brookstudio.com/koji/


職人世界なら、最初はどこかに勤めてまず基本技術
を覚え、その間にさらに自分で修業し、ステップアップも踏み、
その後独立する、という方法がありますので、
聴覚障害者には結構います。

こういう場合は、若いうちにクローズにしてでも、思い切って
高レベルの仕事を目標に挑戦したほうが、圧倒的にいいと
思います。

リスクも当然につきますが、若いうちにしかできない挑戦では
ないでしょうか。

a0196876_2281638.jpg

[PR]
by bunbun6610 | 2011-07-14 22:11 | 就労前の聴覚障害者問題A

ある聴覚障害者から見た世界


by bunbun6610