障害者のニーズと合致する福祉へ

最近、お茶の間ニュース解説というか、
芸能人も数多くゲスト出演し、
質問もしたりするテレビが
流行っています。
そこで、日本の借金のことが言われるように
なっています。

納税者である国民も、国の借金がいったい
どれぐらいあるのか、知らなかった人は
多いかもしれません。
私も、巨額借金があることを知ったのは、
800兆円をオーバーしたころでした。

そのころ、厚生労働省が、財務省の指示により、
福祉の予算も減らす、ということになっていました。

ですから、障害者団体もこれには
関心を持たざるをえません。
反対多数のなかに、わずかながら
肯定派もいました。
それがニュースとなり、障害者団体に入っていない
障害者個人にも届くようになった、というわけです。

そうした筋の話によると、福祉予算を減らすために、
バンク・ミケルセンの「ノーマライゼーション」という
理念が利用されたようです。
 
バンク・ミケルセン
 →http://www.cbr.in/book/hanamura1.html

ノーマライゼーション
 →http://digitalword.seesaa.net/article/171431093.html

このノーマライゼーションとは、もともと社会経済の
改善のために発案されたものではないことは、
誰の目にも明らかです。
ですから、障害者団体には

「おかしいんじゃないか?」

という声も少なくなかったわけです。

でも障害者だって、社会の一員である以上、
国の借金問題を理解し、解決していく社会的責任は
あるはずです。

そこで、今までの福祉を一旦、全部見直してみる
ことは意味のあることだと、私は思います。

その結果よく気になるのは、福祉サービスのムダ、
言い換えるとミスマッチなのです。

個々の障害者が本当に必要としているニーズに
合った福祉サービスが不充分だったり、あるいは
なかったりする。

逆に

「こんなにする必要なんて、ないんじゃないか」

という福祉サービスが、山のようにあったりする。
しかも、どうせタダで使えるのだからと、
幾らでも使えてしまうものまである。
これは一体、どういうことなのだろう? と。

当の障害者本人でさえ、首をかしげてしまうのです。

たとえば、です。耳の聴こえない人にタクシー券だの
バス・電車賃割引だのなんて、本当に必要な福祉
なのだろうか?

その分、足の不自由な障害者等に予算を回し、
もっとバリア解消を充実させたらどうなのか。

そして、聴覚障害者には、むしろ情報保障や通訳を
充実させた方が、バリア解消につながるし、
そのほうが社会にとってもプラスになるはずです。

その証拠に、聴覚障害者団体などは今、
(仮称)情報・コミュニケーション法を提案、運動中です。

聴覚障害者が本当に喉から手が出るほど欲しいのは、
こうしたバリアフリー、今までの福祉の限界を超えた、
聴覚障害者も社会のなかで実質的平等に生きる、
個々を認め合える人間社会のありようなのです。

それを実現させる手段こそ、本当に必要としているはずです。
そのように費用対効果を考えて運用すれば、
聴覚障害者だって、もっともっと社会の戦力になるはずです。

それなのになぜ、協力し合わず、おかしな縄張りばかりつくって、
障害者だからといって、お年寄りみたいな
扱いばかりするのでしょうか。
私は、非常にもったいないことだと、残念に思います。

そうなってしまった理由の一つに、やはり障害のある
人々に対する偏見、差別があるのではないか、
と思います。
それが障害者の社会進出を阻み、同時にその代償として
国の福祉予算で障害者を生涯養っていくという
超恩恵型福祉ができたのではないか、と思うのです。

しかしそういうものを、聴覚障害者が本当にありがたい
ものだとは、恐らく思っていないでしょう。
福祉におんぶして生きなきゃならないなんて、
真の自立ではないのですから。

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by bunbun6610 | 2011-05-19 23:38 | 障害者の経済学

ある聴覚障害者から見た世界


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