『伊勢鮨』(北海道小樽市)

小樽の古い民家を撮り歩いていたら、一軒の小さなお寿司屋さんを見つけました。
場所は分かりづらいですが、小樽駅から歩いて8分ほどの場所にあります。

近所に『若鶏時代 なると』(小樽市稲穂3丁目16番13号)という、行列ができるお店があるのですが、
『伊勢鮨』は、ここから歩いて3分くらいのところです。
それ以外に、目印になりそうなところはありませんでした。

下の写真が、その目印になる『若鶏時代 なると』の看板メニュー(1100円)です。
こんがりと濃いキャラメル色に揚がった若鶏の半身は、皮がパリッとして香ばしいです。
ここは芸能人も何人か、テレビで来たことがあるとか。
でも、味は普通だと思います。

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話を『伊勢鮨』に戻します。
自宅の正面だけ改築したような、看板さえなかったら店だとわからないほど、目立たない店構えでした。

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このお店へ、夜になってからもう一度訪れてみました。
店内は普通のお寿司屋さんと変わらないのですが、寿司職人の雰囲気はどうも違っていました。
メニューを見ると、コースのほうは、

・小樽コース       3800円
・板前おまかせコース   5800円
(だったと思う)

値段の高さに少し迷いましたが、小樽ワイン2009年(白、辛口 360ml 1500円)と、
おまかせコースを頼んでみました。

小樽白ワインは辛過ぎず甘過ぎず、香りも良く、お寿司に合っていました。
飲み物が合っているなと思うと「次はどうなんだ?」と、もっと期待感が膨らむものです。
突き出し(烏賊の塩辛、岩海苔とクラゲの佃煮)の烏賊の塩辛は自然な旨味に溢れ、おいしかったです。
お寿司は、フランス料理と同様に、1カンずつ握ってくれます。

それも、お客さんの食べるペースを見ながら、です。
おそらく、握りたての香り、食感を奨めるからこその配慮でしょう。
それと、食べる順番も職人さんが決めていることになりますよね。
最初に出たネタは「そい」という小樽の白身魚で、食べても何の魚なのか、わからなかったです。

このお寿司屋さんは板前自ら、本ワサビと、柚子塩、昆布締め、しょうゆ、ツメ、のいずれかで
握って出してくれます。
全てのお寿司を板前が味を完成させて客に出すので、テーブルにしょうゆは置いていないのです。

お茶も、私の場合は白ワインを飲んでいたので、食事が終わるまで出ませんでした。

この日のお寿司は、下の16カンでした。

・そい(小樽)  ・〆鯖(九州)  ・赤身ヅケ  ・ボタン海老(小樽)  ・ヒラメ(小樽)
・白魚      ・シャコ(小樽) ・天然大トロ(大間)  ・帆立(小樽)  ・ツブ貝(小樽)
・帆立の子ども  ・メカブと帆立の卵  ・雲丹(道東)  ・イクラ    ・ズワイガニ
・玉子

最も印象に残ったのは「帆立の子ども」(卵ではない)で、白子とアンコウの肝を合わせたような、
今まで食べたことのない味でした。
これはおそらく、仕入れ困難なレアな食材ではないかと思います。
東京ではまず、食べられないものだと思います。
子どもは、筋肉がまだ十分発達していないので柔かく、クセもないのが特徴です。
例えば仔牛、仔豚、子羊、雛鳥なんかも、柔かくておいしいでしょう。
それと同じことが、帆立にも言えるのだと思います。

次においしいのはやはり、雲丹とボタン海老です。とろけるような柔かさ、甘味は言うことなし、です。
北海道は鮭とイクラが有名ですが、私は雲丹とボタン海老のほうが断然、おすすめだと思います。

その次が貝類だと思います。
職人の技である包丁目が、それぞれの素材に合わせて工夫され、
シャリとネタが口の中で一緒にくずれ、噛み切れること、
ネタに微妙な包丁目が入ることにより、醤油やツメがそこに残り、
さらに口に入れて噛んだときに心地よい食感(テクスチャー)が、印象に残りました。
寿司を握るのは早業だから、この緻密な計算は見えづらいものですが、さすがに丁寧な仕事です。

最後に玉子が出され、これはだし巻きというより、フワフワの蒸し玉子菓子みたいな感じでした。
そしてサービスに賄い寿司の「鯖とガリと胡麻の巻き寿司」も出してくれました。
お寿司の食事の後に、青海苔の吸い物(蟹の出汁)、そしてお茶でした。
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by bunbun6610 | 2011-05-15 18:38 | 観光(北海道)
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